応えるということ
いとこに髪を切ってもらいながら何となく話す。
職種は違ってもお互い店をやっているのでその時の空気、やり取りで何となく気持ちを読んだり読まれたり、言ったり言われたり。
そのいとこがしみじみ言った・・・・・。
「いつもお店にいる人・・・ほら、レジのところにいるあの人、あの人・・・・本当に自分のところのパンが好きなんだねー。 すごくよくわかるよ。 何だかホント、すっごく伝わってくるんだよねー。 あんな人にいてもらって幸せだね。」
実はわたしもずっとそう思っていた。 彼女がパンに対してとてもとても大きな愛情を注いでくれていることはいつでも私の支えにもなっている。
彼女がレジに立つときには決まってお客様とどちらからというわけでもなく一言二言、会話がなされる。
天気のことだったり、、駐車場が満車のことだったり、パンの食べ方だったり・・・。
実に自然に心地よく会話が流れる。
そのやりとりがうらやましく思うこともある。
k
お店ではお客様から、パンの特徴やおすすめのパンについて聞かれることが多い。
作り手である私は多分、正解を答えることはできると思う。
でも実は、本当に答えることはそんなことではないとわかっている。
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お客様にパンをより楽しんでもらうために知識や情報を伝えることは売る側の最低限の責任であってとても大切なことだと思う。
でもそれだけではないと思うし、それ以上のことが確かにあると思っている。
まずは “粉桜” という店を楽しんでもらうこと、それが応えることだと思う。
店のパンにあふれるほどの愛情を注いでくれる彼女のように。
k
パンはもちろんのこと、これまでの歴史、人、想い、空気、空間・・・・・それらすべてが “粉桜” であり、知識では伝わらない応えの要素だと思う。
どんなパンをどれだけ売ったか買ったかなんていうことではない。
粉桜を好きなお客様が楽しくパンを選んで気持ちよく帰ってもらえるような、そんな店であれたらと思う。
それだけで私たちもどんなに幸せなことか。
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